【絞りを調節して印象的な写真に】
印象的な写真を撮るコツの一つに「絞りの調整」があります。
これにより写真の印象が決まります。
フワッと背景がボケて、被写体が浮き上がって強調された写真はとっても印象的ですよね!
これは絞りを調節(この場合は絞りを開ける)することで実現できます。
ポートレート(人物撮影)やマクロ(接写)でよく使いますが、最も見せたい部分にしっかりとピント(焦点)を合わせ、他の部分はボカす事で、撮影者の本当に撮りたいポイントを明確にして、撮影者の意思を表現できます。
<絞り開放では背景が綺麗にボケて、被写体がフワッと浮き上がって強調されます>
また反対に、画面の手前から遠くまで全部にピントが合っていて、とてもシャープでその場の空気感まで写し取っている印象的な写真があります。
これも絞りを調節(この場合は絞り込む)することで実現できます。
風景撮影やスナップ撮影でよく使いますが、その場の雰囲気や空気感まで写し取り、写真を見る人がまるでその場にいるかのような感じを表現します。アングル(撮影角度)や構図が重要になりますね。
ちなみに、このピントの合う距離を「被写界深度」と言い、手前から奥まで全ての被写体にピントが合っている状態を「パンフォーカス」と言います。
<絞り込んだ場合(写真例はF16)は背景のカーテンの柄が分かるぐらい、ある程度背景がはっきり写ってきます>
【絞りは光量の調節をする機能】
絞りはレンズに付いている機能で、本来はレンズに取り入れる光量を調節する仕組みですが、同時に写真のピント幅(被写界深度)も調節することになります。
この特性を利用して、背景を大きくボカしたり、逆に手前から奥までピントが合うようにしたりして、写真の印象を変え、表現力を与えることができるのです。
絞りを開放にした所が最も大きく背景がボケて、絞り込んでいくに従って背景にもピントが合って、はっきり写ってきます。ちなみにいわゆる「玉ボケ」を背景に使いたいときは、大口径レンズで絞り開放で撮影すればOKです。
カメラ側は、モードをAv(絞り優先)モードにしてみましょう。
このモードはボケに関係するF値を自由に撮影者が設定して、それ以外の項目は基本的にカメラ任せで撮ることができます。
慣れてくれば、モードをM(マニュアル)モードにして、絞りとそれに対するシャッタースピードを撮影者が設定して、カメラ任せにしないで全てを撮影者の意図で撮ることもできます。
【F値って何?】
絞りはカメラ用語では「F値」で表します。
どの範囲までピントを合わせ、どこまでをボケさせるか?
それをF値の調整によって変えることができるということです。
F値は、実はボケをコントロールするだけでなく「暗い場所での撮影」にも関係があります。F値を小さく(開ける)すればするほど、レンズを通る光の量が多くなるので、明るい写真を撮ることができます。
暗い場所では、特に三脚なしで手持ちで撮る時はF値を小さく(絞りを開ける)しましょう。
逆に、F値を大きく(絞る)すればするほど、レンズを通る光の量が少なくなります。そのため明るい写真を撮るためには、より長い時間シャッターを開けて光を取り込まないといけなくなります。この場合は、ブレないために三脚を使用しましょう。
まとめ: この記事の内容をまとめると以下の通りです。 ① きれいにボケた写真を撮りたいときは、F値(絞り)を 開放しましょう。 ② F値を調整するときは、カメラは Av(絞り優先)モードに。 ③ F値が小さい(開ける)ほど、ボケ効果が強くなります。 ④ F値が大きい(絞る)ほど、ボケ効果が弱くなり、手前から遠くまで ピントが合うようになります。 ⑤ 暗いところで写真を撮るときは、F値を小さく(開ける)。