【キラキラに撮る設定はこれ!】
前回はイルミネーションをキラキラに撮るための<準備編>を説明しました。
今回は、キラキラ、ワクワクな思い出をカメラに収める際のカメラ側の「設定」について説明します。
【イルミネーションの撮影方法<設定編>】
<準備編>でも書きましたが、通常の撮影とイルミネーションの撮影で大きく異なるのは、光の当たった物や人を撮影するのか、イルミネーション光源そのものを撮影するのかという点です。
これは“露出”の考え方や設定がまるで違うということを意味します。
それでは具体的にカメラの「撮影モード」「測光方式」「ISO感度」「ホワイトバランス」「露出補正」の設定について説明します。
以下にまとめましたので、参考にしてください。
注)カメラにお任せのシーン別モードの「夜景モード」を使用する撮影については
ここでは触れていません。
①撮影モード 「A」
イルミネーションを撮る際の撮影モードは、基本的に「A」…絞り優先モードか、後述の「M」…マニュアルモードを使用した方がやり易いと考えます。
まずは「A」…絞り優先モードですが、
イルミネーション撮影時は、ほとんど夜間で三脚を使用すると思いますので、夜間ではブレ対策の「S」…シャッタースピード優先モードではなく、写りの表現重視で「A」…絞り優先モードが便利です。
キラキラな「玉ボケ」を作って撮影するには、絞りを開放にして狙うので、それに対する
シャッタースピード設定はカメラにお任せな方が楽ですね。
イルミネーションをある程度近距離で、あるいは一部分を切り取って撮影するには、絞り開放での表現が向いていると管理人は考えます。
またそれとは逆に、イルミネーションを広範囲で広角で狙う時は、遠近感や立体感を
ビシッと写すために、ある程度F8やF11まで絞り込んでの表現が向いていると考えます。
②撮影モード 「M」
管理人は、フィルムカメラ時代の癖でマニュアルモードが好きで使用しています。
デジタル時代になって、ライブビュー機能が出来てからはモニターで明るさや絞りに依る表現(被写界深度)を実際に見ながら撮影できるので、絞り優先モード使用時とマニュアルモード使用時の違いはなくなりました。
フィルムカメラ時代は、撮影後に現像しないとどう写ったかが当然分からないため、カメラやレンズの機能で、ある程度どのように映るかを予想してシャッターを切るわけです。
設定した絞りでプレビューボタンを押して被写界深度を確認、また写真の明るさに関しては、スポット測光にしてファインダー内の撮影エリア各部分を見て、露出レベルメーターの値を使って、狙った明るさに写りそうかどうかを予想していたわけですね。
この時は、マニュアルモードの方がカメラ側の介入(自動調整)がないので、管理人が行う設定がどのような結果(写真の写り)になるかが明確になるわけです。
ですから、その経験値をデータとして積み上げることで、ほぼ自分の思ったように撮影できるようになっていくんですね。
(→フィルム間に絞りやシャッタースピードの値をデータとして記録できた)
このような撮影手順が身についているので、今でもマニュアルモードを使用しています。
上記のようにライブビュー機能があるのであれば、常に撮影結果が確認できるので、
絞り優先モードの方が楽でしょう。
③中央重点測光モード
最初に書いた通り、イルミネーション光源そのものを撮影するというシチュエーションになりますから、ファインダー内の撮影エリア全体の明るさを平均的に評価してくれる、「中央重点測光」が最も良い感じの露出値を出してくれます。
イルミネーションや夜景の場合は、コツとしてここに露出補正+1をしておけば、
良い結果が得られます。
④露出補正
上記③で書きましたが、中央重点測光の場合は露出補正は+1でOKです。
ここを基本として、あなたが意図的にすごく明るくしたいとか、かなり暗めにしたいとかがある場合には、さらに露出補正を加えると良いでしょう。
⑤ISO感度
ISO感度の設定は、撮影時の機材にも依るのですが、やはり三脚の使用有る無しによっても違います。また、光源がLEDや蛍光灯照明を撮影する際は、
「フリッカー現象」
というものが発生します。
これは肉眼では連続して見えていますが、実はLEDや蛍光灯は極短時間での発光消灯を繰り返している為に、たまたまシャッターを切った瞬間に消灯していると、写真には暗い部分が写ってしまうというものです。
ですから、シャッター速度は1/60秒ぐらいを限度にして、それ以上早くしない方が良いです。
つまりシャッター速度が1/60秒ぐらいになるようにISO感度を設定しましょうと言う事ですね。
また三脚があれば、ブレの心配なしに画質優先のISO感度設定が出来るので、多少ISO感度を下げることが可能です。
よって、以下の設定を目安(あくまで目安)としてあなたのカメラの性能によって調整してください。
・三脚有り … ISO 50 ~ 200
・三脚無し … ISO800 ~ 12800
⑥ホワイトバランス(WB)
ホワイトバランスは大抵の場合、「オート」で綺麗に写ると思いますが、意図的に変更することで面白い効果を加え、肉眼で見た場合と違った表現にする事が出来ます。
【色温度を上げる】
「太陽光」「日影」「曇り」等を選択すると、赤みが強い写真になります。
【色温度を下げる】
「蛍光灯」「白熱電球」等を選択すると、青みが強い写真になります。
通常、イルミネーション撮影時は「蛍光灯」を選んでおけば、ほぼ見た目の色に近く写ると思いますし、温かみのある色合いにするには「曇り」や「日影」を選択すると良いと思います。
【まとめ】
結論的として、まず試してほしいのは以下の設定です。
絞り優先モード + 中央重点測光 + 露出補正(+1)
そして、ISO感度の設定は、
・三脚有り … ISO 50 ~ 200
・三脚無し … ISO800 ~ 12800
ホワイトバランスは「蛍光灯」、
としてみてください!
あとはWBで色味に味付けしたり、フィルター効果で
楽しんでみたりと工夫して撮影して見ましょう。
是非チャレンジしてください!
次は<テクニック編>として、イルミネーション撮影時の具体的テクニックに関して
考えてみます。